稲葉:皆さん、こんばんは。インターネット・インベストメント・テクノロジーの稲葉(将虎)と申します。本日は、システムトレーダーで有名な斉藤正章さんと、私、稲葉が対談をするということで、システムトレードに関する対談となります。斉藤さん、よろしくお願いいたします。
斉藤:よろしくお願いします。
稲葉:それでは早速ですけど、斉藤さんはなぜ裁量トレードじゃなくてシステムトレードを目指したんですか。
斉藤:もともと最初からシステムトレードを目指していたということでもなくて、ある意味では偶然なんです。というのは、株を始めたのは多分5年ちょっとぐらい前だと思うんですけども、そのころは初心者ですので、普通にテクニカルなりファンダメンタルなり一般的な投資方法をいろいろ試したんです。
でも、当然最初からうまくいくということもないわけで、そうこうしているうちにあるとき、ヤフー・ジャパンなんかで株価が見られる時系列データというのがありますよね、あれを見ていたときに、これをデータとして取り込んで解析したら何かおもしろいことができるんじゃないか、というのがきっかけだったんです。
稲葉:なるほど。もともと本業がプログラマーだったということで、そういった発想に行ったということですね。
斉藤:そうですね。職業柄ということも幸いしてというのもあるんですけど。
稲葉:じゃあ、これは自分に合ったものだと割と初期のころから感づいて、そこからはシステムトレードを始めるようになったという感じですか。
斉藤:そうですね。まあ単純に、検証したりするのがおもしろくなっちゃったというのも(笑)。それが理由かもしれないです。
稲葉:最初のころは恐らく、一般的なテクニカルの指標を目でざっくり見たり、ファンダメンタルの指標をざっくり目で見たりという意味で、裁量トレードも最初のころはちょっとやられていたと思うんです。
それで、裁量トレードとシステムトレードとを比較して、システムトレードがすぐれているなと思う点は何ですかね。逆に劣っている点は何ですかね。斉藤さんが思いつく範囲内で教えていただければと思います。
斉藤:まず、システムトレードといったら、一番のメリットは統計という過去の裏づけがあることですよね。要は、少なくとも過去にはこういう結果になったという裏づけがあるので、自信を持って、勝てるという確信を持ってトレードできるということがメリットだと思います。だから、その手法自体の再現性が高いということですよね。
逆に、裁量ですごく成功されている人もいますけど。毎年数倍にして、あっという間に何十億という人も中にはいるじゃないですか。
稲葉:B・N・Fさんとかはそうですね(笑)。
斉藤:ああいう人は独特の、市場全体の相場観とか、いろいろなものを総合的に判断しているなと思うんですね。人間というのは複雑な情報を感覚的に判断する能力があるので、そういうところは人間の強いところだと思うんですよ。
システムというのは、そういうところまでやるんだったら、相場観すらプログラムしてやらないと、そこまですぐれた成績はなかなか出しづらいと思うんですね。システムトレーダーの成績は、堅実に年利3割とかいう地味な人のほうが多いんじゃないかなというのはありますよね。
稲葉:まあ、複利原理で3割で毎年ふやせていければ、お金持ちになれる日も遠くはないと思うんですけど。でも、裁量トレードは裁量トレードで、1年で1億にしたとか、そういう魅力はありますよね。
そういう意味では、システムトレードで驚異的なパフォーマンスというところは一般的には簡単ではないと思いますけど、でも、システムトレードは、統計的な検証結果と、あとはルールにのっとったものという意味で優位性があるということですね。確かに私もそう思います。
これはよく言われる話ですけど、裁量トレードで勝ち続けることができるトレーダーがほとんどいないのではないかと私は考えているんですけど、斉藤さんはどう思われますか。
斉藤:ほとんどという意味では私もそう思うんですけども、中には長期にわたって勝ち続けている人もいることはいますよね。先ほど言ったB・N・Fさんなんかもそうですし。要は、裁量トレードが全くだめだということではなくて、裁量が入るということは、自分で何でもできちゃうわけですね。
だから、短期的には勝っていても、すごく長期になるとどこかで失敗してしまうというのは、自分で何でも裁量を入れることができてしまうために、逆にルールを破ることも自由なんですよね。そういう面もあって、生き残る裁量トレーダーは少ないと思うんですけど、裁量トレードそのものに否定的というわけではないです。
稲葉:なるほど。確かに、すごいトレーダーでも、あるところでうまくいかなくなって、損をしたことでさらに感情的になるというパターンにはまっていくというのは、トレーダーの伝記とかを見ているとありますね。
昔だと(ジェシー・)リバモアとか、そういうトレーダーも、裁量トレードでずっとうまくいっていたけど最後は破産しちゃったというパターンもあるので、そういう意味では、ルールがあるというのはシステムでも裁量でも大事なのかと思いますね。
斉藤:そうですね。
(続く)斉藤正章インタビュー 第一部 目次
斉藤正章インタビュー 第二部 目次
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