稲葉:引き続きですけど、システムトレードというのは、過去の統計的な優位性とか、あとルールに従ったトレードということで、個人的な感覚として、裁量トレードよりは成功できる可能性があると私自身は思っています。
IITとしても、再現性を重視するという意味で、ビジネスとしてもシステムトレードを提唱してはいるんですけど、そういったメリットを追求するために本気でシステムトレードを行いたいと考えたときに、バックテストをする必要が当然出てくると思うんですね。
プログラミングとかExcelとか、そういった知識は斉藤さんだからあるというところも、感じている方は感じていると思うんですよ。だから逆に、プログラミングとかExcelの知識のない人がこういうのを実施したいと考えた場合どうすればいいですかみたいな話で、参考になるものがあればと思います。
斉藤:正直言うと、本当はExcelの知識すらないというのは結構厳しいと思うんです。逆に言えば、Excelが使えるというだけでも、例えば日経225先物とか為替とか、もしくは特定の好きな銘柄とか、そういったもののテストは比較的容易にできるんですよね。だから、できればマクロとかも使えるといいと思うんですけども、Excelが使えるということが本当は理想ですね。
プログラムは難しいと思うんですけども、Excelもどうしても使えないという人であれば、最近では市販のソフトも幾つか出ていると思うんです。実際には自分で使って試したことはないんですけども、そういったものを使う方法があるというか、それを使うしか方法はないと言ったほうがいいと思います。
稲葉:ハンドで検証するという方法もなくはないんでしょうけど、過去を長い期間さかのぼったりするのには、どうしてもそれだと限界があるので、必要に応じて専用のソフトウエアを使うということと、あとはExcelぐらいはわかったほうがいいんじゃないかというところですね。Excelだけでも結構検証できますからね。
斉藤:そうです。だから、システムトレードをやりたいというんだったら、少なくともExcelぐらいは勉強しましょうという感じでしょうかね。
稲葉:なるほど。わかりました。少し話が変わるんですけど、IITで出している『システムトレード実践マニュアル』を発行する前、半年間ほど、個人的にいろいろテクニカル指標をいじくったバックテストを結構やっているんですね。
データとして保存していたりもするんですけど、その結果として、個別株について、テクニカル指標が、一貫してワークしているというものが実はあんまりなかったんです。
ただ、それにもかかわらず、ちまたの本屋さんに出ているトレード関連の本を見ると、それらのテクニカル指標に基づいたトレードルールが、あたかも有効であるかのように書かれてあると思うんです。こういう現実は危険だと思うんですけど、斉藤さんはどう思われますか。
斉藤:それに関しては同意見です。単純な例でいうと、ある高値をブレークしたら買いというような手法もあると思うんですけども、こういった手法のように、長期間使い続ければ長期的には一定の有効性が認められるテクニカル指標というのは、確かにあることはあると思うんです。
ただ、あたかもどんな相場でも通用するように書かれていたり、あるいは、相場の状況によって相場観を入れて判断したほうがいいというように、あいまいにされているところが多かったりするんです。
稲葉:そうですね。
斉藤:大抵の手法というのは、上昇相場では得意だけど、保ち合いが苦手だったり、その逆だったり、必ず特徴があるはずなんですよ。だけど、この手法を使っていれば勝てるんだというように書かれているのは、ちょっと誇大表現かなという気がします。
稲葉:そもそも、投資の本とかトレードの本とかが多過ぎるんじゃないかと僕は思っているんです。こんなことを言うとあれなんですけど。情報が多過ぎて、何が正しくて、何が間違っているのかが普通の人では判断できないというぐらい多くなっている。
僕も昔いろいろはまっていたこともあって、それで(読んだ本が)300冊とかなっちゃったりしたんですけど、間違っているような本も結構あるなと思うので、それらもバックテストとかで確認してみる必要があるのかなと思います。
斉藤:そうですよね。
斉藤正章インタビュー 第一部 目次
斉藤正章インタビュー 第二部 目次
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