多くのトレーダーが裁量トレードを行っていること、そして、システムトレードよりも裁量トレードのほうが人気が高いということを、説明しました。
ただ、我々の経験、および、人間本来の性格を考えると、「裁量トレードで勝ち続けるのは至難の業である」ということだけをここで断言したいと思います。
なぜならば、一連の売買行動を全て自己裁量で行うというのは、日々の株価変動に対して合理的な意思決定が常に求められるということに他なりません。
休むことなく意思決定を行っていなければならないというのは、思いのほか、強い心理的プレッシャーがかかります。
そして、もっと重要なのは、人間はお金が絡むと感情的になるという事実です。人間本来の性格を株式市場に持ち込むと、必然的に損をするようになっているのです。
これは、株式市場における人間の心理特性・行動特性に関する研究である行動経済学などからも確認されております。
「利益は小さいが、損失は大きい」
「暴落局面で投げ売り、上昇局面で飛びつき買い」
このような経験はないでしょうか?
何の訓練もされていない人間が裁量トレードで勝てると安易に考えてよい合理的な理由は見当たりません。少なくとも、我々は他人に裁量トレードを薦めることについて積極的になることができません。
過去の偉大なトレーダー、および、知り合いのトレーダーを見る限り、裁量トレードで勝ち続けるのは、オリンピックでメダルを取り続けることと同じくらい難しいと感じることさえあります。
アメリカの偉大なトレーダーであるジェシー・リヴァモアの例を出すまでもなく、最も才能がある部類のトレーダーでさえ、突如破産することも有り得るのが裁量トレードの世界です。
いま世間で騒がれているスーパートレーダーとて、どこかで破産する可能性がゼロであるという保証は全くないのです。
もちろん、勘や経験が重要でないとまでは言いません。 しかし、一連の売買行動を全て勘や経験に任せて行うことが必ずしも良い結果を生み出すとは限らないということもまた事実です。
実際、人間本来の性格を持ち込んだ場合、勘や経験による売買は不利な方向に働きます。
裁量トレードがなかなか上手くいかない理由はここにありますし、ひいては、多くの人がトレードで勝てない理由もここにあります。